6&4

アイルランドの本(小説・児童書・YA)を紹介するブログです。

An Post Irish Bool Awards2019

説明などは2018年の記事のほぼコピペなので目次を置いておきます。

An Post Irish Bool Awardsとは

アイルランドで最大と言ってもいい文学賞。様々な部門から成る。

2006年から開始された文学賞で、始まりは書店から。賞が出来た目的は簡単で「アイルランド文学で突出した才能を讃え、また広く読者に良い本を届ける。賞の存在によって競合を図る」とのこと。公式サイトには書店向けに「賞に向けて販促するには」みたいなページもあり、アイルランドの出版・書店界を盛り上げようという気概が伝わってくる。

公式サイトはこちら↓

An Post Irish Book Awards

特徴としては、スポンサー提供を受けるものの独立した団体であること、読者からの投票を受け付けていることかしらん。

去年から郵便会社An Postがメインスポンサーに変わったが、公式曰く大成功に終わったとのこと。今年も引き続いてAn Postがメインスポンサーを務めることになった。賞自体の他、部門ごとにもスポンサーの名前が冠されている。

個人的に、毎年一番楽しみにしているこの賞。いろんな部門があってお祭り感が好き。授賞式はアイルランドの公共放送RTÉで放送される。それも結構なゴージャス騒ぎ。

各部門について

16の部門に分かれている。これも公式サイトで一覧になっていて、かつノミネート作品をまとめた何かおしゃれなパンフレットをISSUU(カタログ共有ツール、電子書籍みたいにその場でペラペラめくって読める)で見ることができる。

Eason Novel of the Year

アイルランドの大手本屋(Eason Ireland | Buy Books, Gifts, Audio Books & Stationery)がスポンサー。どういう観点で選んでいるのか明記されていないのでわからないが、バランスよく、話題になった本が選出されているイメージ。

去年はEASON BOOK CLUB NOVEL OF THE YEARという名前だった。地味に名前が変わっているものの、内容としては大差ないだろう。

図書券を発行しているNational Book Tokens。(英国・アイルランド版)がスポンサー。ポピュラーと謳っている通り大衆向けというか、幅広く読まれるものが選ばれている。去年は女性向けのものが多い印象だった。今年はその色は若干薄れている気がする。

去年は英国の大手眼鏡チェーンがスポンサーを務めていたが、今年から変わったらしい。選出される本の雰囲気が変わったのもそのせいだろうか。関係あるのか?

Bookselling Ireland Non-Fiction Book of the Year

ノンフィクションに限定した部門。歴史モノからマインドセットまで幅広い。

スポンサーはアイルランド書店組合的な感じのBooksellers Association - Bookselling Ireland。Irish Book Weekなどのイベントを手掛けるなどしている。これまた去年とスポンサーが変わっている。

去年と変わらずテレビ会社Ireland AMがスポンサーを務めるノンフィクション部門。伝記モノが多いだろうか。

Sunday Independent Newcomer of the Year

新人賞の位置づけ。積読してある本が1冊ノミネートされているので結果が楽しみである。

Independent紙の日曜版がスポンサー。

TheJournal.ie Best Irish Published Book of the Year

アイルランドに関連する本が選ばれる。去年はアイルランドにおける灯台の歴史を綴ったものが受賞していた。

アイルランドのニュース(TheJournal.ie - Read, Share and Shape the News)がスポンサー。

Irish Independent Crime Fiction Book of the Year

賞の名の通り、犯罪小説だけがノミネートされる部門。去年は危ない魅力を持った美女の小説が受賞していたが、今年はどうか。大抵、犯罪小説の表紙はなぜか赤と黒率が高いのに今年のノミネート作品は爽やか系の色も目立つ。

スポンサーは新人賞と(ほぼ)同じくIndependent紙。

Avoca Cookbook of the Year

料理本がノミネートされる部門。昨年からの流れは変わらず、時短系や初心者向けが今年もノミネートされていた。

去年は大手スーパーがスポンサーをしていたが、今年はAVOCAに変更。最初は布製品から始まったらしいカフェや食品を扱う企業で、1700年代創業の古参だそう。

Bord Gáis Energy Sports Book of the Year

スポーツ関係のノンフィクションが選ばれる。これも伝記モノが多いだろうか。

スポンサーは大手ガス会社Gas, electricity, boiler service offers Ireland | Bord Gáis Energy

RTÉ Radio One Listeners’ Choice Award

ラジオのリスナーが候補作を選ぶ部門。今年は5作品しかノミネートされていない。去年のこの部門も含めてノミネートは大体6作品なのでショートリスト数は決まっているのかと思っていた。

スポンサーはもちろんラジオ会社RTÉ。去年は番組名まで賞の名前に載っていたが、今年は削除されている。こちらの方がスッキリ&幅広いリスナーが選べるということだろうか。

Specsavers Children’s Book of the Year (Junior)

児童書の中でも低年齢層向けの部門。要するに絵本である。

ノミネート作家を見ると去年も見たような面々が多い。

スポンサーは英国の大手眼鏡チェーンSpecsavers。去年はPopular部門のスポンサーをしていたので、丁度National Tokenと入れ替わった形。

Specsavers Children’s Book of the Year (Senior)

児童書の中でも若干高年齢層向けの部門。ヤングアダルト(YA)と絵本の中間くらいか。

こちらのスポンサーもSpecsavers。

Dept 51@Eason Teen / Young Adult Book of the Year

ヤングアダルトの部門。去年の受賞作は文句なしに面白かったので今年も期待大。

スポンサーはティーン向けの本やグッズを販売しているDept51。上述EasonのHP内にページを設けている。

Listowel Writers’ Week Irish Poem of the Year

詩の部門。スポンサーのHP上でノミネート作品全文を読むことができる。

スポンサーはListowel Writers' Weekアイルランドの街Listowelでブックフェスティバルを運営している団体。

Writing.ie Short Story of the Year

短編の部門。こちらもスポンサーのHP上で全文を読むことができる。

スポンサーは作家と読者のためのWebマガジンWriting.ieアイルランドの週間ブックランキングを見るのに私もちょこちょこ見に行く。

The Love Leabhar Gaeilge Irish Language Book of the Year

アイルランド語で書かれた本が選出される。去年から新たに加わった部門。

スポンサーは(たぶん)アイルランド語の本を専門に扱う出版社Love Leabhar Gaeilge

受賞作決定までの流れ

ショートリスト発表が10月24日。受賞作発表が明日11月20日となっている。去年は11月27日に発表だったので、1週間ほど早い発表である。

今年は諸事情により本があまり読めなかった。受賞作発表後にチョロチョロとショートリストの紹介を兼ねて読んでいこうと思う。