6&4

アイルランドの本(小説・児童書・YA)を紹介するブログです。

IRISH INDEPENDENT CRIME FICTION BOOK OF THE YEAR 2018ショートリスト

An Post Irish Book Awardsの1部門である、IRISH INDEPENDENT CRIME FICTION BOOK OF THE YEAR 2018。

その名前の通り、犯罪小説の部門です。出版社のHPを見ていても、Crime Fictionは別にカテゴリ分けされていることが多くあります。それほど人気なのでしょうか。

An Post Irish Book Awardsについては↓

rokuyon64.hatenablog.com

受賞作品

SKIN DEEP(by LIZ NUGENT) 

Skin Deep: The most gripping thriller of 2018 (English Edition)

Skin Deep: The most gripping thriller of 2018 (English Edition)

 

Cordelia Russell(コーデリアラッセル)は南フランスで優雅な暮らしを送っていた。しかしその生活も破滅を迎えることになる。家へ帰ると腐臭にハエの羽音が聞こえてくる。そろそろ死体をどうにかしなければならない。

試し読みの感想を以前書きました↓

rokuyon64.hatenablog.com

ショッキングな内容です。こういうのが良かったのでしょうか…。レビューを見ていると主人公Cordeliaは賛否両論ありつつ、目が離せなかったという感想が多くありました。傾国の美女は危ないとわかっていながら、魅力をまた感じてしまうんですよねえ。

ショートリスト作品

HOUSE OF GHOSTS(by W. C. RYAN) 

A House of Ghosts: A gripping murder mystery set in a haunted house (English Edition)

A House of Ghosts: A gripping murder mystery set in a haunted house (English Edition)

 

第1次世界大戦時。戦況が日に日に悪くなる中、Lord Highmount(ハイマウント卿)は行方知れずの息子の為に人を呼んでいた。それぞれが何かしらの隠し事を秘めたまま、1人が死体となって発見される。

眼鏡かけた少年が出てきそうなくらいのクライムっぷりですね。ミステリーでもありスリラーでもありといったような。あらすじを読んでいるだけでぞわぞわしてきます。

THE CONFESSION(by JO SPAIN) 

ある夜、Harry McNamara(ハリー・マクナマラ)がゴルフクラブで襲われた。それも妻Julie(ジュリー)が見ている前で。その1時間後、JP Carney(JPカーニー)が自らを襲撃者だと警察に告白(Confession)してくる。その告白によって事件は終結……とはならなかった。

以前試し読みの感想を書きました↓

rokuyon64.hatenablog.com

わくわくして先を進めたくなるような文章でした。

ONE CLICK(by ANDREA MARA) 

One Click (English Edition)

One Click (English Edition)

 

Lauren(ローレン)は何の気なしに海岸で撮った写真をネット上にアップした。そのワンクリックが全てを狂わせることになる。Laurenの写真に写っていたという女性からメッセージが届き、慌てて削除するもののメッセージはどんどんエスカレートしていく。さらには私生活でも問題が頻発するように。

非常に現代的な内容です。身近な題材な文、恐ろしく感じそうです。

THE RUIN(by DERVLA MCTIERNAN) 

警官Cormac Reilly(コーマック・レイリー)はある家で2人の子どもを保護する。その家の2階では母親が冷たくなっていた。それから20年。ゴールウェイで自殺者が出た。20年前の事件と関わりがあると踏んだCormacは独り捜査を進めることになる。

他の部門でもショートリスト入りしています。そっちの記事では装丁が違うものの画像を載せましたが、賞公式サイトではこちらの画像が掲載されています。こっちも不穏な様子がにじみ出ていて良い感じです。

THIRTEEN(by STEVE CAVANAGH) 

Thirteen: The serial killer isn’t on trial. He’s on the jury (English Edition)

Thirteen: The serial killer isn’t on trial. He’s on the jury (English Edition)

 

ハリウッドの名物夫婦の妻が殺された。容疑者として浮上したのは夫Rober Solomon(ロバート・ソロモン)。残された証拠すべてがロバートの犯行だと示していた。しかし裁判を進めていく中で奇妙な事件が起こり始める。弁護人についたEddie Flynn(エディ・フリン)はロバートが真犯人であるかどうか疑念を抱くようになっていた。

試し読みの感想を以前↓

rokuyon64.hatenablog.com

題字でTHIRTEENのIとEが1と3になっているの、いいですよね。しかしシリーズ物でもショートリスト入りできるのが少し不思議です。

 

以上、ショートリスト作品です。身近に迫る恐怖から殺人まで幅広い内容で取り上げられています。真に恐ろしいのは人間の心か。