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アイルランドの本(小説・児童書・YA)と気になったニュースを紹介するブログです。

An Post Irish Book Awards2018

An Post Irish Book Awardsとは

アイルランドで最大と言ってもいい文学賞。様々な部門から成ります。

2006年から開始された文学賞で、始まりは書店からでした。自分用メモに「アイルランドの本屋が協賛する唯一の賞」と書いてあるのですがこれ出典不明です。賞が出来た目的は簡単で「アイルランド文学で突出した才能を讃え、また広く読者に良い本を届ける。賞の存在によって競合を図る」とのことです。公式サイトには書店向けに「賞に向けて販促するには」みたいなページもあり、アイルランドの出版・書店界を盛り上げようという気概が伝わってきます。

ちなみに公式サイト↓

An Post Irish Book Awards

特徴としては、スポンサー提供を受けるものの独立した団体であること、読者からの投票を受け付けていることでしょうか。特にスポンサー制度が興味深いです。昨年まではアイルランドの大手エネルギー会社Bord Gais Energyがトップスポンサーだったのですが、いつの間にか郵便会社An Postに変わっていました。その結果、賞の名前も変わるという。他、部門ごとにもスポンサーの名前が冠されています。

個人的に、毎年一番楽しみにしているこの賞。いろんな部門があってお祭り感がわくわくします。授賞式はアイルランドの公共放送RTÉで放送されます。それも結構なゴージャス騒ぎ。

各部門について

大きく分けてフィクション、ノンフィクション部門の2つ。そこからさらに細かい部門に分かれていきます。これも公式サイトで一覧になっていて、かつノミネート作品をまとめた何かおしゃれなパンフレットをISSUU(カタログ共有ツール、電子書籍みたいにその場でペラペラめくって読める)で見ることができます。

フィクション部門

EASON BOOK CLUB NOVEL OF THE YEAR

アイルランドの大手本屋(Eason Ireland | Buy Books, Gifts, Audio Books & Stationery)がスポンサー。どういう観点で選んでいるのか明記されていないのでわかりませんが、バランスよく、話題になった本が選出されているイメージ。

SPECSAVERS POPULAR FICTION BOOK OF THE YEAR

英国の大手眼鏡チェーンSpecsaversスポンサード。名前にPopularと付いている通り、人気の本が選出されています。上の賞と比べて女性向けの小説が多いような。

RTÉ RADIO 1’S THE RYAN TUBRIDY SHOW LISTENERS’ CHOICE AWARD

前述したRTÉの平日朝のラジオ番組リスナーが選ぶ賞。番組自体はニュースやその時話題になった人のインタビューで構成されています。通勤のお供的な番組でしょうか。

選ばれている本はサスペンス系が多いですね。去年はそうでもなかったような気がするのですが。

SUNDAY INDEPENDENT NEWCOMER OF THE YEAR

Independent紙の日曜版(Sunday Independent - Independent.ie)。

新人賞の位置づけですね。

THE JOURNAL.IE BEST IRISH PUBLISHED BOOK OF THE YEAR

アイルランドのニュース(TheJournal.ie - Read, Share and Shape the News)。私もたまに読んでます。

Irishと冠しているだけあって、アイルランドの風土に関する本が多くノミネートされています。去年はアイルランドの歴史本が大賞を取っていたような記憶。

IRISH INDEPENDENT CRIME FICTION BOOK OF THE YEAR

前述Independent紙スポンサー。実質1社で2部門持ってる感じですね。スゴイ。

犯罪小説が独立して部門となるくらい人気のあるジャンルなんでしょうか。

NATIONAL BOOK TOKENS CHILDRENS BOOK OF THE YEAR (JUNIOR)

図書券を発行しているNational Book Tokens。(英国・アイルランド版)

児童書、特に絵本部門です。

NATIONAL BOOK TOKENS CHILDRENS BOOK OF THE YEAR (SENIOR)

上記のシニア版。ヤングアダルトよりは少し若い感じ。

ショートリストを見ても、やはりこの部門は表紙が1番かわいい。

DEPT 51@ EASON TEEN/YOUNG ADULT BOOK OF THE YEAR

DEPT51はYAなどの本・グッズを売ってるところです。たぶん。EASONと名前が付いている通り、前述EASONのサイトにページが設けられています。

こちらはヤングアダルトの部門。中二心がくすぐられます。

WRITING.IE SHORT STORY OF THE YEAR

Writing.ieWriting.ie | The complete online writing magazine)は小説家と読者のためのWebマガジン。

賞の名前の通り短編部門です。すごいのはサイトで候補作を全文公開していること。あとはスマホでもう少し読みやすい形にしてもらえると助かります。

LISTOWEL WRITERS’ WEEK IRISH POEM OF THE YEAR

これはListowelという街で毎年開催されている文学フェスティバルがスポンサーですね。フェスティバルが文学賞をスポンサードするっていうのが不思議な感じ。

こっちもListowel Writer's Weekのサイトでショートリスト全作全文読むことが出来ます。

THE LOVE LEABHAR GAEILGE IRISH LANGUAGE BOOK OF THE YEAR

たぶん本屋か出版社だと思うのですが…いかんせん公式サイトがアイルランド語で書かれているので満足に読めませんでした。しかもIrish Book Awardsのサイトにもスポンサーとして書かれていない。どういうことだ。

これは今年新たに加わった部門です。こうして年々新しい部門を増やしていくなど柔軟性があるのもこの賞の好きなところです。

ノンフィクション部門

ONSIDE NONFICTION BOOK OF THE YEAR

ONSIDEはダブリンに本社を置くマネジメント会社。

上にあげたフィクション部門のショートリストにも実はノンフィクションが混ざっているのですが、これはノンフィクション専用の部門。

IRELAND AM POPULAR NONFICTION BOOK OF THE YEAR

IRELAND AMはテレビ会社です。確か放送1週間以内だったらネット上でも視聴できたはず。

上の部門と比べてややエンタメよりのものが選ばれている印象。

EUROSPAR COOKBOOK OF THE YEAR

EUROSPARはアイルランドのスーパー。サラダバーがあるなど良い感じのお店でした。街中にちらほらある。

スーパーだからか、お料理本部門です。料理本はお高いので候補作1冊も読めてません…。

BORD GÁIS ENERGY SPORTS BOOK OF THE YEAR

BORD GÁIS ENERGYはエネルギー会社です。去年まで筆頭スポンサーでした。

アイルランドでスポーツと言えばラグビーやサッカーが中心かと思っていたのですが、そうでもないようです。

大賞決定までの流れ

ショートリスト発表が10月25日。その後、サイトで投票を受け付け審査が行われ、11月27日に大賞発表となります。

今年は読んだ本も何冊かショートリスト入りしているので、結果が楽しみです。