紹介:Ireland's Green Larder
本情報
Ireland’s Green Larder: The story of food and drink in Ireland
- 作者: Margaret Hickey
- 出版社/メーカー: Unbound Digital
- 発売日: 2018/05/03
- メディア: Kindle版
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ジャンル:ノンフィクション、料理
ページ:352
*Kindleだと1章まで試し読みができます。
あらすじ
アイルランドの食事の歴史を概説した本。
女王メイヴがチーズに頭ぶつけて死亡したことをチーズメーカーに聞きに行ったり、ジョナサン・スウィフトが鮭に文句言っていたのを取り上げたりと、庶民の生活に焦点を当てた風俗本。
試し読みしての感想
You are what you eat.
試し読みできる1章の範囲では、アイルランドにおける食料事情を年代順にざっくり説明してくれています。なかなか厳しい。
あまり食料が満足に確保できなかった層と、それなりに裕福に暮らしていた層でわかれるわけですが、両方の描写があるのが嬉しいところ。どちらかといえば農民や庶民の方にフォーカスが当たりがちですが。どこぞの誰かが考えたコースメニューなどが載っているなど、当時書かれた文献の引用が多くあります。正直に言って目次を読むだけでおいしそう。
そして試し読みの最後、2章の初めに書いてあった文章が印象的でした。曰く、
Three things that keep the world alive: the womb of a woman, the anvil of a smith and the udder of a cow.
世界を回すに必要なのは3つ。女性の子宮に、鍛冶屋のかなとこ、そして牛の乳。
どうやらこれはアイルランドのTriads(三題歌)をもじったもののようです。そんな出だしの2章はもちろんバターと牛乳の話です。
著者について
雑誌の編集者をやっていたそうです。ジャンルは食文化。寄稿した雑誌には錚々たる有名誌ばかり並んでますね。
今作が2作目、1作目は口伝の歴史を集めた本のようです。これもおもしろそう。