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紹介:Mind on Fire

本情報 

Mind on Fire: A Memoir of Madness and Recovery (English Edition)

Mind on Fire: A Memoir of Madness and Recovery (English Edition)

 

ジャンル:自伝

ページ:288

あらすじ

母の死をきっかけに躁うつ病を発症した著者。舞台脚本家となった後も自殺願望や孤独感に襲われる。ロンドンでホームレス生活まで体験したことを語った自伝。

試し読みしての感想

An Post Irish Book Awardsの記事でも書きましたが、プロローグが一文です。書き出しが文の途中から始まるので一文以下かもしれません。そして2人称で書かれる文に、連想ゲームのような場面転換が続きます。もう脳みそぐるぐる。これは誰の物語だったか、著者のものだったか、自分のものだったか…と混乱していきます。

一転して1章は冷静に始まります。1人称小説のような語り口でした。

著者は週3日働き、後はひたすら舞台脚本を書いている…という状況が説明されます。若干金には困っているようですが、すごくうらやましい生活。ただ、どこか苦しそうな心理描写も入ります。アドバイスを求める人に対して辛辣な回答をしてしまう場面も、嫌な性格と一言で斬って捨てられない何かがありました。とても卑近な存在に感じます。

著者について

Arnold Thomas Fanning

ロンドン生まれダブリン育ち。上述したように舞台脚本を書いていました。本の出版は今回が初めてです。