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アイルランドの本(小説・児童書・YA)と気になったニュースを紹介するブログです。

紹介:New To The Parish

本情報

New To The Parish (English Edition)

New To The Parish (English Edition)

 

ジャンル:ノンフィクション、インタビュー

ページ:220

 あらすじ

アイルランドへ移民してきた人たちの背景は様々である。仕事の為、勉強の為、故郷にいられなくなって…等々。Irish Timesの記者であり、自身の祖父も移民だった作者が、14人の移民にインタビューし、それぞれの物語を記した。

試し読みしての感想

執筆の背景

試し読みの部分では、作者の背景が主な内容を占めます。14人の移民してきた方たちへの取材集ではあるのですが、あらすじに書いたように作者自身の祖父もチェコから移民してきた背景を持ちます。祖父がどのようにアイルランドで暮らしてきたか、祖母に出会って結婚したが移民である祖父を祖母の家族は気に入らなかったとか、そうした部分が赤裸々に語られています。今でこそ移民の数は増えたものの、当時は奇異の目で見られたそうです。そういえば今夏、ダブリンへ旅行した時にアジア系や中東系の人をあまり見かけませんでしたし、歩いているとやや物珍しそうな目を向けられていたような気がします。未だにちょっとばかり珍しいのかもしれません。アイルランド自体は良い意味でも悪い意味でも、移民・移住には縁深い土地だと思うんですけどね。

さて、そんな状況下で作者はこの本を書いた目的を前書きで語っています。曰く、「なぜ故郷を離れて移民せざるを得なかったのか、海外で新生活を始めることがどんなに難しいことか知って欲しい」のだそうです。

また、ヒトは「migratory creatures」だとも言っています。アリストテレス風に「移住的動物」とでも訳したらいいですかね。

遠い昔、人類はアフリカから世界各国に移民したのだと思えば、移民とはここ数十年で新しく発生したものではないと作者は言います。移民に焦点を当て、それを通して作者は「ヒトとは」ということをあぶり出したかったのでしょうか。

著者について

Sorcha Pollak

Irish Timesの記者。今作がデビュー作です。

柔らかく、かみ砕いた文体でとても読みやすく感じました。さすが人に伝えることに関しては特化しているのでしょう。