紹介:The Surface Breaks
本情報
The Surface Breaks: a reimagining of The Little Mermaid
- 作者: Louise O'Neill
- 出版社/メーカー: Scholastic Fiction
- 発売日: 2018/05/03
- メディア: Kindle版
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ジャンル:YA、ファンタジー
ページ:320
*Kindleだと2章まで試し読みができます。
あらすじ
冷たいアイリッシュ海の底に、人魚の国はあった。Gaia(ガイア)はその国の王女の1人。今日で16歳になるが、姉たちはあまりお祝いしてくれる雰囲気ではない。それもそのはず、15年前の今日、母は人間たちに連れ去られてしまったのだ。
しかしガイアは人間を憎むというよりもむしろ憧れていた。そして人間になりたいと望むが、それには代償が必要だった。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの『人魚姫』を現代、特にフェミニズムの視点から語りなおした物語。
試し読みしての感想
主人公の名前
あらすじにも書いた通り、主人公である人魚姫の名前はGaia(ガイア)です。言わずと知れたギリシア神話における母なる神、大地の象徴ガイアと同じ名前ですね。
人魚姫なのにガイア?と不思議に思っていたのですが、それは作中でちゃんと説明がありました。曰く、人間好きだったお母さんがつけてくれた名前とのこと。
ただお母さんは人間に連れ去られてしまった…との経緯から、ガイア以外の姫、王様は人間を毛嫌いしています。そんな理由から、ガイアはずっとMuirgen(ミュリガン)と呼ばれることに。
Muirgenはアイルランドの神話(アルスター周辺)に出てくる人魚の名前です。鮭の人魚。最初はリーバンという別の名前でしたが、キリスト教に改宗したためにMuirgenの名を与えられました。「海から生まれた者」の意味です。人魚らしい名前です、それこそガイアとは正反対の。
元々の神話でMuirgenが住んでいたとされたのは湖だそうですが、まあそれはそれです。
フェミニズム要素あり?
他サイトでのあらすじに散々フェミニズムの視点から『人魚姫』を書き直した、との描写がありました。試し読みの段階ではその雰囲気はいまいち感じ取れませんでしたが、連れ去られた母とかそのあたりに何かあるのでしょうか。
著者について
既に複数出版されていて、受賞歴もある人気作家のようですね。文章もすっきりとして読みやすかったです。