6&4

アイルランドの本(小説・児童書・YA)を紹介するブログです。

紹介:In Search of Us

本情報 

In Search of Us (English Edition)

In Search of Us (English Edition)

 

ジャンル:家族、ロマンス

ページ:368

Kindleで試し読みできます。

あらすじ

Ronnie(ロニー)とElizabeth(エリザベス)は双子の姉妹。

ロニーは宝石店で働きながら、理解のある彼Al(アル)と幸せに暮らしていた。子どもを望んでいたがなかなか恵まれずにいるのが悩み。

エリザベスはダブリンで企業を経営しながら、同じくらい仕事で成功しているNathan(ネイサン)と結婚していた。子どもを欲しいと思ったことはなかった。

かつては仲良しでそっくりとも言われていた姉妹だが、今ではほぼ不干渉になってしまった。そんな2人は、母の死をきっかけに、これまで見たこともなかった父のことを一緒に調べていく。

試し読みしての感想

対照的な双子

あらすじの書き方からしてそうですが、ロニーとエリザベスは双子ながら生き方が真逆です。小さい頃はそんなことなかったようですが。そしてロニーもエリザベスも、いつからか互いに関わるのを避けるようになってしまいました。こういうのは双子でなくても兄弟姉妹ならままあることではないでしょうか。大人になるって悲しいことです。

こういうところは、同じ双子でも“Letters to my Daughters”に出てきたジニーとローズとは違うのですね。彼女たちは真逆の性格、生活をしていたものの、互いに頼りにして連絡を取り合っていました。

ロニーとエリザベスは、母の死をきっかけに家族、そして自分に向き合っていきます。こういう時、双子の方が鏡のように自分の姿をよく見せてくれるのかもしれません。

優しい恋人

恐らくこの本って前述のLetters to my Daughtersと同じジャンルの本になると思うのですけど、こういった話に出てくる男性って本当に性格イケメンが多いですね。女性が理想とする男性像なのかしら。

ロニーの恋人アルもご多分に漏れずハンサムです。母の死、そして子どもに恵まれない自分を思って眠れずにいるロニーに「夜遅いからもう話は止めて寝よう。話し足りなかったら朝また話そう」とか、「自分はこうしたほうがいいと思うけど、ロニーが違う方を選んだらそれはそれ。ロニーがどっちを選んでも応援する」とか、言葉の節々に気遣いが見てとれます。こういう恋人がいるからロニーの精神も安定しているというのがよく納得できます。

著者について

Maria Duffy

ダブリン出身。現在は夫と4人の子どもと暮らしている。

銀行員として勤めた後、結婚して専業主婦に。作家となったのはさらにそれから後のことになる。

今作で7冊目。