紹介:The Summer Visitors
本情報
The Summer Visitors (English Edition)
- 作者: Fiona O'Brien
- 出版社/メーカー: Hachette Books Ireland
- 発売日: 2017/05/04
- メディア: Kindle版
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ジャンル:家族、トラウマ
ページ:384
あらすじ
Daniel O'Connell(ダニエル・オコンネル)はその夏、アイルランドの海岸沿いにロッジを借りて休暇を過ごさんとしていた。双子の息子との家族旅行だった。ダニエルの妻(双子の母)を事故で亡くしてから心に傷を負ってしまった息子が回復するきっかけになればと思ってのことだ。
Annie Sullivan(アニー・サリバン)はホテルオーナーの娘で、ロンドンで暮らしていたが、ある問題を抱えてアイルランドへやってきていた。
全く関係のない2人だったが、同じアイルランドの地でそれぞれ過去に向き合うことになる。
試し読みしての感想
ルーツを探しに
アメリカ人は自分のルーツ探し(先祖探し)をよくする…と与太話レベルで聞いたことがあります。主人公ダニエルもアメリカ人。アイルランドへ休暇に行けば?と同僚へ勧められるシーンで、「私のルーツ、アイルランドなんだよね」と言われダニエルも「苗字からして自分のルーツもアイルランドだろう」と返していました。
こういうのってどうなんでしょうね、やっぱり自分のルーツの国に行くと何だかよくわからないけど懐かしい、という感覚になるのでしょうか。夕焼けを見てノスタルジーを感じるのとはまた違うのか?
アイルランド文学界双子多すぎ問題
このブログで紹介した小説だけでも、2・3作は双子が出てくるものがありました。本当に双子出現率高くないですか? と思ったら、アイルランドには双子が多いのではないか、と話題にしている観光ガイドの方のブログ記事がありました。双子が身近だからこそ小説によく登場する、というのは素直に納得できます。ではなぜアイルランドには双子が多いのかという話になってきますが、それは専門の方の研究結果を待つことにします。
ところでこの小説に出てくる双子は、活発でやんちゃ・大人しくて気遣いができる少年です。ステレオタイプといえばステレオタイプですが、この2人のやり取りは中々読んでいて小気味いいものでした。やんちゃな方が大人しい方の気持ちを汲み取って優しくするという思いやりプライスレス。母を亡くしたショックが強いらしい大人しい方に気を遣ったのかもしれませんが。
著者について
Fiona O'Brien
大学卒業後、コピーライターとして働く。ダブリン在住。
現在はコピーライターを退職し、専業作家として活躍されているそうです。女性向けがメイン。