紹介:Matchstick Man
本情報
ジャンル:家族、アルツハイマー
ページ:288
*Kindleだと2章初めまで試し読みができます。
あらすじ
Julia Kelly(ジュリア・ケリー)は処女作を書いている時に、Charlie(チャーリー)と出会った。20歳年上のチャーリーに、ジュリアは会った当初から魅力を感じていく。2人は意気投合し、やがて夫婦となった。
ところがある時からチャーリーは変わってしまった。ひどく忘れっぽくなり、怒りやすくなった。彼に下された診断はアルツハイマー病だった。チャーリーとジュリア、そして周りの人間の病気に対する苦悩を描いたノンフィクション。
試し読みしての感想
親しい人の豹変
1章はチャーリーの物忘れがひどくなり、車にすら乗れない、シートベルトもしめられない状況が描写されます。続く2章では時が戻ってチャーリーとジュリアの出会いのシーンがジュリアの視点から語られます。
1章の終わりでチャーリーはシートベルトのバックルをCD挿入口に入れようとし、それができないとなるとただじっとジュリアがシートベルトを締めてくれるのを待っています。それを描写するジュリアからとても言い表せない悲愴を感じました。
そして2章ではエネルギッシュで魅力的な、ジュリアが出会った当初のチャーリーが語られます。1章の終わりから2章初めの落差がすごすぎて、きっと身近な人が変わってしまったらこれ以上の衝撃なのでしょう。その原因が本人ではないことも含めて、周りはやるせなさに襲われそうです。
著者について
作家。フィクションを数作出版されていますが、ノンフィクションは今作が初めて。
今はご主人とウィックロー州にお住まいのようです。