レビュー:Ireland Green Larder
本情報・あらすじ
Ireland’s Green Larder: The story of food and drink in Ireland
- 作者: Margaret Hickey
- 出版社/メーカー: Unbound Digital
- 発売日: 2018/05/03
- メディア: Kindle版
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ジャンル:料理、生活史、神話
ページ: 352
アイルランドではどのような食べ物がとれ、また人々はそれをどうやって口にしてきたのか。レシピを交えて食べ物、当時の文化を解説するとともに、神話や民話、小説などで食べ物がどのように描写されてきたのかを詳細に描く。
感想
クラウドファンディング
出版の経緯として、この本はクラウドファンディングで支援を募ったものだそうです。巻末に出資した方の名前がズラリと並んでいました。
サイト名はUnbound | Liberating ideas、現在も様々なプロジェクトが進行中です。ざっと流し見してたら日本語発見してびっくりした。
この仕組みであれば、販売側は支援の状況である程度の売上が見込めるし、購入側も「ワシが育てた」顔が出来るのですね。これからの出版は段々こんなふうになっていくのでしょうか。出版社ではなく個人発というのか。
日本だと翻訳関係のサウザンブックスくらいしかクラウドファンディングサイトを知らなかったのですが、ちょこちょこあるようですね。本専門でやっているところはなさそう。campfireが近そうでしょうか。
レシピ付き
料理について書かれた本だけあり、レシピもそこそこに載っています。作者のおばあちゃん直伝のものが多いような印象でした。ただ写真は一枚もなく、普段料理する人なら言わなくてもわかる工程が省かれているなど上級者向けかもしれません。あと何でか分量がものすごく多い。肉1.5kgとか。
試しに作ってみた中でも、スコーンはすごくおいしかったです。ツイッターで写真をあげてたやつ。
Buttermilk Fruit Scones作った
— よん (@yongyong232) 2018年7月22日
うま、うまま…! pic.twitter.com/EDGiBG0i7D
見返して思ったのですが、もっと映え~的なことを考えて成形すべきでした。
現在パンとミルクのレシピまで作り終わったのですが、そのうち載っているレシピは全部作ってみたいと思ってます。ただラム肉1.5kgはハードルが高い。
料理だけじゃない
最終章なんかは専門の本を読んでいるのかと思うくらい神話・民話の詳しい解説がありました。当然、料理の本なので、料理に関連したものに限ります。アイルランドの年間通したお祭りと、そこで食べられる料理が載っていました。こういう整理された情報って本当にありがたいです。感動しました。
著者について
Margaret Hickey
雑誌の編集者をやっていたそうです。ジャンルは食文化。寄稿した雑誌には錚々たる有名誌ばかり並んでますね。
今作が2作目、1作目は口伝の歴史を集めた本のようです。これもおもしろそう。