SPECSAVERS CHILDREN’S BOOK OF THE YEAR (SENIOR) 2019ショートリスト
An Post Irish Bool Awardsの児童書部門。
いつもノンフィクションからフィクションまで幅広くノミネートされているが、今年は自費出版物も含まれていてより懐の大きさを見せつけられた。
An Post Irish Bool Awardsについてはこちら↓
受賞作品
SHOOTING FOR THE STARS(by NORAH PATTEN, Illustrated by JENNIFER FARLEY)
Shooting for the Stars: My Journey to Become Irelands First Astronaut
- 作者:Patten, Norah
- 発売日: 2019/11/16
- メディア: ハードカバー
ジャンル:ノンフィクション、宇宙飛行士
ページ:44
あらすじ:2017年、Norah Patten博士はアイルランドで初の宇宙飛行士になるためのプログラムに選ばれた。Norah博士の訓練を通じて、宇宙飛行士に関するあれこれを解説。
著者:メイヨー出身。航空機関係の技術者。11歳の時に旅行でNASAへ訪れ、宇宙に夢中となり、将来宇宙飛行士になりたい夢を抱く。
8歳~12歳頃向けとのこと。著者が丁度、宇宙飛行士になりたいと考えた年頃を対象にしているのか。宇宙飛行士が解説する宇宙のことに、かわいらしいイラストがついて読みやすくなっている。
ノミネート作品
LILY AT LISSADELL(by JUDI CURTIN)
ジャンル:歴史フィクション
ページ:288
あらすじ:20世紀、Lilyのような女性は未だ若いうちに学校を出て、勤め先を探すのが常だった。Lilyの仕事はお屋敷のメイド。ご主人は優しいが、慣れないメイド生活に苦労しながらやっていく日々。そんな中、ご主人の姪であるMaeveがやってきてLilyの似顔絵を描きたいと言う。立場の違う2人の友情を描いた小説。
著者:ロンドン生まれ、8歳でコークに移り住む。小学校の教師として働いていた。主に子ども向けの本を書く。
あらすじの書き方からして学校卒業後に勤め先を探したのかと思っていたら、Lilyは学期途中で仕事へ行くことになっていた。学校が好きだったLilyには可哀想な仕打ちだが、そうしないと家族も生きていけない。彼女の性格が明るくてどんな場所にも適応できそうなのが幸い。
FAMILY FUN UNPLUGGED(by PETER COSGROVE)
Family Fun Unplugged: Riddles, Brainteasers & Activities for Kids and Adults to Enjoy at Home
- 作者:Cosgrove, Peter
- 発売日: 2020/06/01
- メディア: ペーパーバック
ジャンル:パズル、謎解き
ページ:176
あらすじ:家族みんな、子どもから大人まで楽しめるアクティビティ・ブック。なぞかけ、頭の体操、難問までぎゅっと詰めた本。
著者:詳細不明。本作は自費出版でありながら、作者の努力もありベストセラーとなった。子どもがスマホやテレビばかり見ているのを憂いて作成したとのこと。
Independent.ieのインタビューを読むと作者自ら100店に通って本を売り込んだらしい。そうした努力と、おそらく中身の充実さが相まって人気作品になったのだろう。奇しくも現在子どもと家で過ごすのに最適な1冊。
GORDON’S GAME(by GORDON D'ARCY & PAUL HOWARD)
ジャンル:ラグビー、伝記
ページ:384
あらすじ:Gordon少年はラグビーに関して天才的な才能を持っていた。いつかアイルランド代表のユニフォームを着たいという夢を抱いていたが、それには困難が多く待ち受けていた。
著者:(Paul Howard)ジャーナリスト、作家。Ross O'Carroll-Kellyシリーズで有名。
(Gordon D'Arcy)元ラグビー選手。アイルランド代表を経験、所属チーム・レンスター・ラグビーでは最多キャップ。
本人が体験したであろうラグビーとの出会いや、ワクワク感がわかりやすい言葉で綴られている。子どもたちにとってのヒーローが、かつては自分たちと同じように夢を抱いていたというのは、嬉しいに違いない。
A STRANGE KIND OF BRAVE(by SARAH MOORE FITZGERALD)
ジャンル:悪、やや怖
ページ:240
あらすじ:Lucaは前の学校で起きた嫌な事件を忘れ、引っ越し先の小さな町で新たなスタートを切ろうとしていた。母とレストランを開き、従業員のAllieとも仲良くなれ幸先は良かった。しかしこの町にはJake McCormackという極悪人がいた。
著者:ニューヨーク生まれ、ダブリン育ち。リムリック大学で文章創作を教えている。
「今作の悪役」と自称するJakeの語りから始まる。なかなか斜にかまえた感じで少年心がくすぐられる。ひねりの効いた物語だという感想が多かった。
THE LOST TIDE WARRIORS(by CATHERINE DOYLE)
ジャンル:ファンタジー、シリーズ物
ページ:324
あらすじ:前作でアランモア島のStorm keeperになったFionn。しかし彼は無力だった。モリガンの信奉者が島へ攻め込んでくるといっても、Fionnには手立てがない。そこで友だちと共にダグザのメロウ(半魚人)たちを呼び出そうと画策する。
著者:アイルランド西部で育つ。YAを書く。Blood for Blood3部作が有名。
前作もこの賞にノミネートされていた。魔法の力をほとんど持たない主人公が強力な敵に立ち向かっていくのは心躍るものがある。