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アイルランドの本(小説・児童書・YA)を紹介するブログです。

IRELAND AM POPULAR NON-FICTION BOOK OF THE YEAR 2019ショートリスト

An Post Irish Bool Awardsのノンフィクション部門。

前回のBOOKSELLING IRELAND NON-FICTION BOOK OF THE YEARと何が違うのかと言われても、ちょっとよくわからない。見た感じ、こちらの方が自伝多めだろうか。

An Post Irish Bool Awardsについては↓

rokuyon64.hatenablog.com

受賞作品

BAREFOOT PILGRIMAGE(by ANDREA CORR) 

Barefoot Pilgrimage (English Edition)

Barefoot Pilgrimage (English Edition)

  • 作者:Andrea Corr
  • 出版社/メーカー: HarperCollins
  • 発売日: 2019/10/17
  • メディア: Kindle
 

ジャンル:自伝、音楽

ページ:240

あらすじ:愛する父の死をきっかけに考えた人生の意味。音楽産業で生きるということ。有名ミュージシャンである著者が詩的に自らの人生を振り返る。

著者:兄妹バンド「ザ・コアーズ」のメンバー。音楽活動の傍ら、女優としても活躍。

この本のAudible版は著者本人が朗読したもの。詩のような表現が頻出することもあって、読むより聞く方が味わえる作品かもしれない。

ノミネート作品

THE MAKING OF A DETECTIVE(by PAT MARRY) 

ジャンル:探偵、伝記

ページ:256

あらすじ:Garda(アイルランドの警察)の進歩と共に歩んできた著者が振り返る、自身の仕事や関わった事件について語った本。

著者:Gardaに所属し、数々の事件を解決に導いた。特にRachel O'Reilly殺人事件の解決については有名。2018年にGardaを退いている。

怖い顔をしているが、意外にも文章はざっくばらんで親しみやすい。本の最初に「兄弟へ捧げる」として短文が書いてある。それだけでも良い人なのがとてもよくわかる。

内容は主に過去の事件を振り返るもの。もちろん明かせない詳細も多々あるだろうが、実際に現場にいた警察の自伝ということで貴重な資料となりそうである。

LIVE WHILE YOU CAN(by FR TONY COOTE) 

Live While You Can: A Memoir of Faith, Hope and the Power of Acceptance (English Edition)

Live While You Can: A Memoir of Faith, Hope and the Power of Acceptance (English Edition)

  • 作者:Fr. Tony Coote
  • 出版社/メーカー: Hachette Books Ireland
  • 発売日: 2019/05/02
  • メディア: Kindle
 

ジャンル:伝記、病気

ページ:320

あらすじ:運動ニューロン病と診断された時、Tony神父はまだ53歳だった。だんだん動かなくなっていく体、近づいていく死への恐怖から、神父が神の愛に目覚めるまでを描いた伝記。

著者:ダブリン出身。神父としてつとめる傍ら、自身の病気が判明してからは啓もう活動などを行っていた。2019年8月に55歳で亡くなる。

運動ニューロン病の代表的なものはALS。Tony神父は精力的に活動され、その影響は今でも残っている。まさに人生を限りなく生きた方だったのではないだろうか。

THE PERSONALS(by BRIAN O’CONNELL) 

The Personals (English Edition)

The Personals (English Edition)

 

ジャンル:広告、人生

ページ:288

あらすじ:クラシファイド広告は色々なことを教えてくれる。見る人の人となりや興味関心など。クラシファイド広告をこよなく愛する著者が語る、広告から見える人生の話。

著者:ジャーナリスト。社会問題などに積極的に取り組む。前作“Wasted”はアイルランドのアルコール問題について語った本。

クラシファイド広告とは何ぞや?と思って調べたら、どうやら三文広告と呼ばれるものに近いらしい。フリーペーパーや新聞に載っている小さな広告と考えて良いらしい。確かにああいった広告は興味がなければ全く目を止めないので、どの広告に反応するかでどんな人なのか読み解くというのは面白いかもしれない。

OVERCOMING(by VICKY PHELAN WITH NAOMI LINEHAN) 

Overcoming: A Memoir (English Edition)

Overcoming: A Memoir (English Edition)

  • 作者:Vicky Phelan
  • 出版社/メーカー: Hachette Books Ireland
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: Kindle
 

ジャンル:自伝、心理

ページ:368

あらすじ:1人の女性が大きな山を動かした記録。命の危険にさらされた事故、母になり、うつ病になったこと。そしてHSE(Health Service Executive)による子宮がん見過ごし事件。事件の詳細を明らかにするため、彼女は戦った。

著者:(Vicky Phelan)2人の子を持つ母。子宮がんに関して今も活動を続けている。

(Naomi Linehan)ジャーナリスト。今回が2作目。

HSEは公的医療機関であり、無料か安価でサービスが受けられる。医療ミス・健診での見過ごしは最近日本でも何件かニュースになっていた。専門知識がない分、私たちは病院を信頼せざるを得ない。どう対処したらいいのか、難しい問題である。

MY CRAZY WORLD(by CHRISTY DIGNAM WITH DAMIAN CORLESS) 

My Crazy World: The Autobiography (English Edition)

My Crazy World: The Autobiography (English Edition)

  • 作者:Christy Dignam
  • 出版社/メーカー: Simon & Schuster UK
  • 発売日: 2019/09/19
  • メディア: Kindle
 

ジャンル:伝記、音楽

ページ:304

あらすじ:ミュージシャンである著者が自身の半生を綴った物語。幼少期の性的暴行被害やドラッグ、音楽について語る。

著者:ミュージシャン。何度もチャート入りする人気アーティストだが、薬物中毒でも話題になった人物。

何かとニュースになる人物のようだが、本人の口からそれらの話題を語るのは初めてらしい。性暴力から薬物、闘病までショッキングな内容が多そうである。